最近よく留学について相談を受けるのですが、その中でも多いのが語学についての質問です。
日本を発つ際にどのくらいの語学力が必要なのか、授業についていけるのかという心配は誰でも抱くもの。
そこで今回は参考として、私がドイツに来てから正規学生になるまで、どんな道のりを辿ったのか紹介します。
Contents
正規留学と交換留学
ここで紹介するのは正規留学としての話で、交換留学にはあてはまりません。
ではこの2つの違いは何でしょうか?
簡単に説明すれば、正規留学とは現地での卒業を目的とするもので、交換留学は日本の大学に在籍しながら1年ほどドイツで学ぶというものです。
大学卒業後すぐドイツへ
私は卒業後すぐにドイツへ渡りました。なるべく早めに行って部屋探しなどもしたかったので、実は卒業式にも出ていません。
出発時のドイツ語レベルはドイツ語検定2級+もうちょっとといった所です。
学籍登録に必要なドイツ語力
ドイツ語が母語でない学生が学籍登録をする際、語学力が一定のレベルに達しているという証明をする必要があります。大学で認められるような証明書があればそれを提出すればよいのですが、無い場合は試験を受ける必要があります。
[box04 title=”主な試験”]
- DSH
- Test DaF
- Goethe Institut
私はDSHを受験しました。というのも、大学から送られてきた入学許可証に「学籍登録をするにはDSH受験が必要です」と書かれ、試験の日程も同封されていたからです。
DSHというのは各大学が行うドイツ語試験で、レベルに応じてDSH-1、DSH-2そしてDSH-3という結果が出されます。
DSH-1では芸術系の学部に学籍登録できますが、ほとんどの学部で必要になるのはDSH-2。
なので私もDSH-2を目指して試験を受けました。
ちなみに試験日程は大学の授業が始まる寸前という日程が多いです。
DSH受験もレベル届かず
試験の結果は残念ながらDSH-1。学籍登録の基準に満たないので、正式に学生になる事は出来ません。
その代わりに大学が用意する「大学準備のための語学コース」に通う事になります。
このコースは入学許可があるものの語学基準が満たない学生のためのもの。半年間テスト対策などをしながら、来学期の試験での合格を目指します。
留学準備コースに通いながらDSH受験の日々
半年の準備コースに通っていれば大体の人が次のDSH試験に合格するものですが、私は心配性なので他の大学の試験も受験しました。
通常DSH試験は大学の入学許可がないと受験できませんが、中には例外もあり、試験だけを受けさせてくれる所もあります。
私が受験したのはニュルンベルクとミュンヘンの大学です。
ニュルンベルクの大学では筆記でDSH-2だったものの、口頭試験の結果がDSH-1。DSH試験は筆記と口頭で低い方の結果が最終的な結果となるので、私の結果はDSH-1のまま。
その後ミュンヘンの大学でも受験をし、ようやくDSH-2を手にすることができました。
晴れて正規学生になるも授業が全くわからない
DSH-2を手にして次の学期から正式に学生となりましたが、ここで問題発生。授業で先生や他の生徒が言っている内容が全く理解できないのです。
ハンドアウトや資料が貰える授業は家で辞書などを調べながら復習できるものの、先生が口頭で喋るだけの授業はもう何が何だかさっぱり。
分からないまま授業を受けていても無駄だと思ったので、その授業はスッパリ切り、ついていける授業とドイツ語コースを並行で受ける事にしました。
この時に痛感したのは、語学試験に合格してもそれだけでは不十分ということ。ここから更にドイツ語を鍛えなければ、授業についていけないのです。
2学期目から本格的に授業に参加
そんな訳で学生としての1学期目は授業半分、語学コース半分という感じでした。そして2学期目から本格的に授業に参加するようになります。
2学期目は、最初の頃の「何言っているか全くわからない」という事はありませんでした。それでも分からない単語があったり資料を読むスピードも遅いので、予習復習にはかなり時間がかかっていました。
[chat face=”9983FECD-E91C-4932-A44C-F4B6C608BA41-コピー.png” name=”” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]夜など空いてる時間はほとんど予習・復習に費やしていました。[/chat]ドイツ語がまだまだ十分でないと自分でも分かっていたので、試験に対してはかなりプレッシャーがありました。なので試験前は猛勉強!そのおかげか単位を落としたことは一度もありません。
おわりに
大学に必要なドイツ語試験では大学に入学するための最低ラインが求められているだけで、いわばスタートラインのようなものです。授業についていくためには、上にも書いたようにドイツ語をどんどん鍛える必要があります。
そのうえで「これは無理」と思った授業は次の学期にまわしたり、授業数を減らして少ない授業に集中できるようにするのも大事です。それで卒業までの期間が少し延びますが、ドイツではそういう人が結構います。
偉そうなことを色々書きましたが、私のドイツ語もまだまだ。Master(修士)に在籍中は、レポート提出前に文法やアカデミックな表現などをドイツ人(主に夫)チェックしてもらっていました。
[chat face=”9983FECD-E91C-4932-A44C-F4B6C608BA41-コピー.png” name=”” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]おかげさまで2019年春に無事修士論文を提出できました。[/chat]ドイツの大学で正規学生になるまでの過程を書いてきましたが、「こんな感じなのか~」と、これから留学を考えている方の参考になれば嬉しいです。