今年も修論執筆のかたわら、仕事やプライベートでドイツ国内外さまざまな場所を訪れました。
せっかく色々な場所へ行ったので、1年分の旅行から特に印象に残っているものを一挙に紹介します。
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フランクフルトの光の祭典「ルミナリエ」
1年おきに開催される照明見本市に合わせて行われた、光の祭典「ルミナリエ」。町のいたるところで中央駅やレーマー広場などの建物がライトアップされ、いつもとは異なる雰囲気に包まれたフランクフルトの夜を楽しみました。
オペラ座ではこの建物が歩んできた歴史を、音楽とともにプロジェクションマッピングで表現。映像と建物との調和が素晴らしく、完成度の高い芸術作品を鑑賞しているかのよう。
レーマー広場でのプロジェクションマッピングは私にとって表現の仕方が難しいものでしたが、広場を囲む建物全体に映像が投影されるので迫力満点。市内ではほかにも期間限定で大小様々ライトアップがなされ、それらを巡るガイドツアーも開催されました。
日本へ2週間の一時帰国
3月末から4月初めにかけては、夫と日本へ2週間行ってきました。オーバーブッキング体験談の記事で書いたように、行きの飛行機ではオーバーブッキングで搭乗できないというトラブルも。
日本では私の地元である長野に滞在し、家でのんびりしたり県内を中心にあちこち観光。時期的にはちょうど梅、あんず、桜の花が満開。県北部、千曲市「あんずの里」で開催されたあんず祭りや松本城の夜桜会にも出かけました。桜はドイツにもありますが、やはり日本で見る桜の美しさにはかなわないと実感。
またあるときは隣の岐阜県にある新穂高岳へ。ロープウェイで2156m地点まで一気に上り、険しくも美しい山々の風景を楽しんだり、ご当地ソフトクリームの「わさびソフト」にも舌鼓を打ちました。
ドレスデン旅行
5月には夫とドレスデンへ。3泊4日の滞在ではドレスデンのほか近郊のザクセン・スイス国立公園やマイセンにも足をのばしました。
高さ100mの奇妙な形をした岩がそびえるザクセン・スイス。風雨にさらされながら長い時をかけて造られた風景を見ながら、自然の力の大きさに圧倒されるばかり。私達は車で上まで行ってしまいましたが、ふもとの川辺からハイキングも可能です。
マイセンではかつて磁器工場があったアルブレヒト城や、マイセン博物館へ。工房見学で熟練の職人技に感動した後は、カフェで「マイセンケーキ」なるご当地ケーキも頂きました。
ドレスデンから家へ帰る途中ではヴァルトブルク城へ。ここは10年まえ私がドイツを訪れるきっかけになった場所でもあります。実際に来てみると10年前の様子がおどろくほど鮮明に思い出され、どこか感慨深いものがありました。
ロンネブルク城での中世祭り
おなじ5月にはフランクフルト近郊にあるロンネブルク城で開催された中世祭りへ。13世紀に建てられた城塞のまわりには中世市がたち、中世の衣装を身にまとっている人も多くて雰囲気満点でした。
お祭りのハイライトは、王の座をめぐって騎士たちが繰り広げる伝統的な戦い。なかでも全速で走る馬の上から槍を突きあう馬上槍試合は、観ているこちらも手に汗握るほど臨場感たっぷりでした。
ちなみに、中世市は過去にフロイデンベルクやエスリンゲンで開催されるものを取材したことがあります。どこも美しい旧市街と中世の入り混じった独特な雰囲気が楽しめる、ドイツらしいお祭りです。
ホーエンツォレルン城、ブラウトプフ
5月から6月頭にかけては祝日+週末を利用して夫の実家に帰省。そこからホーエンツォレルン城とブラウトプフへ日帰りで訪れました。
まるでメルヘンの世界から飛び出してきたかのようなホーエンツォレルン城を目の前にして、ドイツ3大美城と言われているのにも納得。実際に城を訪れたあとは、「雲海に浮かぶ城」が見えることでも有名な絶景スポットへも行きました。
残念ながら雲海は見られなかったものの、山の上にそびえたつ城の姿は言葉では表せないほど美しかったです。
ブラウトプフは水中の微粒子が光を反射することで真っ青にみえる池。天候などの条件により池が様々な「青」に変わります。私達が訪れた時はターコイズブルーに近い色でしたが、長期間雨が降らないともっと濃い青になるのだそうです。
鏡のような水面に周囲の風景が映し出される様子は、ここだけ時が止まったかのような神秘的なものでした。
週末プラハ旅行
7月にはヨーロッパ出張に来ていた弟とチェコのプラハで待ち合わせをし、一緒に観光をしました。1泊2日という弾丸日程でしたが、プラハの見どころや美味しいチェコ料理とチェコビールも楽しめて充実した2日間でした。
私が以前プラハを訪れたのはもう8年ほど前になりますが、プラハの旧市街は当時と変わらぬ美しさ。私が住んでいるのがドイツ西部ということもありますが、ドイツの隣なのにドイツとは町の雰囲気もガラリと変わるのが印象的でした。
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古城ホテル「シュロスホテル・クロンベルク」滞在
さらに7月には結婚記念日として、夫とフランクフルト近郊の古城ホテル「シュロスホテル・クロンベルク」に滞在。部屋も広さ130㎡のグラン・スイートにアップグレードしてもらい、リッチで非日常なひとときを過ごしました。
アンティーク家具や絵画の並び、美術館のようなホテル内。夜は庭が見渡せるテラスで、ロマンティックな雰囲気のなかコース料理を頂きました。
実は結婚記念日はライン川沿いの古城ホテルに宿泊したかったものの、夏ということもありどこも満室。最後の選択肢として残っていたクロンベルク城に滞在することになったのですが、むしろここにして良かったと思っています。
トリーア世界遺産、コッヘム中世市の取材旅行
8月はドイツ西部を流れるモーゼル川沿いの町トリーアとコッヘムへ。トリーアでは世界遺産に登録されているローマ遺跡群やトリーア大聖堂、コッヘムではライヒスブルク城で開催された中世市を取材しました。
トリーアを訪れたのは今回がはじめて。歴史の重みを感じさせる遺跡群はもちろん素晴らしかったですが、旧市街が以外にも可愛らしかったのが印象的でした。
コッヘムではライヒスブルク城で開催された中世市を取材。5月のロンネブルク城で開催された中世市もそうでしたが、会場には騎士や農婦に仮装した人も多く、中世市ならではの独特な世界観を楽しめました。
中世市取材の後は旧市街も散策。コッヘムへは何度か訪れた事がありますが、木組みの家が並ぶ情緒ある街並みはいつ来てもあたらしい感動を与えてくれます。
1泊2日のモーゼル川旅行
8月末には再びモーゼル川へ。前回は取材でしたが、今回は夫と一緒に「黒猫ワイン」で有名な町ツェルやベルンカステル・クースなどを訪れ、美しい風景と美味しいワインを楽しんできました。
ツェルへ向かう途中に立ち寄ったアラス城は、山の中にひっそりとそびえる古城。ずっと行きたいと思っていたもののアクセスが難しい場所にあるので、この機会に訪問できて嬉しかったです。現在はホテル、城博物館となっている城内でランチを頂きました。
ベルンカステル・クースの旧市街は保存状態の良い木組みの家が並ぶことで知られ、私達が訪れた時も小さな町が多くの観光客で賑わっていました。マルクト広場では広場を囲む木組みの家がこちらに迫ってくるみたいで、かなりの迫力。私はドイツでこの様な木組みの街並みをいくつも目にしてきましたが、その中でもトップ3に入るほどの美しい街並みでした。
2週間のテネリフェ島滞在
9月末から10月にかけては、私と夫そして夫ママの3人でテネリフェ島に2週間滞在しました。私にとっては初めての土地なので、行く前からずっとドキドキ。島を訪れるのは約15年ぶりという夫もずっと楽しみにしていたようで、出発の1ヶ月くらい前から2人で旅行の話ばかりしていました。
一方で夫ママは年に必ず1度はテネリフェ島へ行くという、かなりのテネリフェ通。おすすめの観光スポットや食べ物も色々知っていて、私達の希望を聞きながらあちこち案内してくれました。
様々なスポットのなかでも、最も強く印象に残っているのは「ロケ・シンチャド」という奇形の岩。長年の風雨にさらされながら形作られた岩からは、この岩が積み重ねてきた時の重みと、人間が到底あらがうことのできない自然の威力を強く感じました。
2週間ずっと観光していたのではなく、時には何もしなかったり海岸でのんびり過ごすことも。滞在していたアパートのちかくにある海岸「プラヤ・デ・ラス・テレシタス 」へも何度か足を運びました。
岩がむき出しの荒々しい風景や緑豊かな森など、小さな島でありながら様々な表情を見せてくれたテネリフェ島。またいつか必ず訪問したいです。
ドイツのクリスマスマーケット13ヵ所を取材
11月後半からはドイツ各地で始まったクリスマスマーケットの取材旅行へ。ライン川沿いの町リューデスハイムを皮切りに、第1弾はボンやモンシャウ、ケルンなどのドイツ西部。第2弾はローテンブルクとヴュルツブルク。そして第3弾としてハルツ地方やライプチヒ、ドレスデンなどドイツ東部を取材してきました。
取材中は雨に降られることも多く、「これが雪ならよかったのに」と何度思ったことか。とはいえ街並みとイルミネーションとの融合はどの町も素晴らしく、それぞれの町の個性を活かしたクリスマスマーケットが楽しめました。
ドレスデンやエアフルトなど東部の町へはこれまでも行ったことがありましたが、クリスマスマーケットは初めて。この機会に取材することができて光栄でした。ツイッターで紹介した各地の様子への反響も大きく、寒いなか何度もシャッターを切った甲斐がありました。
おわりに
紹介した以外にも、今年は数えきれないほどの場所を訪れ、さまざまな出会いを体験しました。修論執筆で忙しいなか、よくあちこち行ったなと自分でも感心しています。
訪れた場所については旅行メディアに寄稿したほか、このブログやツイッターでも紹介したので見てくださった方もいるかもしれません。
旅ライターとしての活動は来年も続ける一方、今やっている翻訳も含めてもっと他の分野でも仕事を増やしていきたいと思っています。
さいごに、共にお仕事をさせて頂いた関係者のみなさま、ブログやツイッター、インスタグラムを通じて応援してくださったみなさん、1年間どうもありがとうございました。